【あるひとつの愛の日々】 全13話
【あるひとつの愛の日々】 13
おわりに
遠い記憶の
瞼に映る父の姿を書いてきたが
予想を遥かに超えた長さになってしまった。
本文は私が30歳くらいまでの記憶を掘り起こして綴ったもので
忘れてしまう前に
父が懸命に生きた証を遺しておきたいと思った。
毎日みる父の写真に向かって
昔は
『父さん、貴方の人生はあれでよかったの?』
と
胸がぎゅっとする想いになることもしばしばあったが、
全てが終わっている今は
(我ながらどんどん似てくるな…)
と
父の顔を横目でチラリと見ては
笑いかける程度である。
特に感情が沸き起こることも無く
『ありがとう』
しかでてこない。
万が一
あの世あたりで
もう一度逢うなんてことがあるなら
私はしんどいから御免だが
父さんの本来もつ魂の魅力が
どこかで
輝いているとしたら
とても
嬉しく思う。
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私は
心の中で
父を
誇りに想っている。
これは私が一番大好きな写真だ
父さんへ
出逢えたことに感謝を込めて
ここにたむけます。